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どうしてだろう。涙がぼろぼろ零れて来て止まってくれない。悲しい訳でも苦しい訳でも悔しい訳でもないけれど、唯々胸が痛くて感情の制御が利かない。
多分それは、私には言えない事だから。何時だって目を逸らして、必死で我が身を守ってきた私には、きっと、選べない道だから。
私は親と喧嘩した事がない。私の思いを両親にぶつけた事がない。何時も両親の主張を聞いて俯いているだけ。そういう時の私の表情はとても歪んでいるのだろうけれど、それでも私の口から言葉が出て来る事はない。咽がひりひりして、心が爆発しそうで、涙を抑えるのに必死になってしまう。だから私は、押し黙る。
もう良いや、面倒くさい。
そんな言葉が口癖になってしまったのは、一体いつの事だっただろう。もう随分と昔から、私は諦める事に慣れてしまっている気がする。何も無い平坦な途を淡々と真っ直ぐに進んで行っているだけ。
きっと何が正しい訳でもない。何が間違っている訳でもない。
唯、私は、自分の心にすら誠実になれていない。疵付く事を恐れて逃げている。逃避の日々。何時だってそう。

賢い人間になりたくて、私は今迄生きてきた。狡猾な自分でありたかった。それだけが私を救う道だと思っていたから。
でも実際、どうなんだろう。
そう、確かに私は賢いのかもしれない。上手く立ち回って楽をするのは私の得意とするところで、そういう自分を私自身信じていたから。だけど結局、私は甘えているだけだ。この環境に甘えているだけ。恵まれた己の境遇に依存して、自分では何もしようとせず、既に整えられた道を均して、一見綺麗な街道を作ろうとしているだけなんだろう。

消えてしまいたいと思う気持ちは、今でも変わっていないよ。ふとした瞬間、私という存在自体をこの世界から消してしまいたくなる。死にたいのとは違う。私が死んでいなくなった世界に私の痕跡が残っているというのは途轍もなく気持ち悪い。だから全て消してしまいたくなる。
昨日の父の発言もあってずっと鬱屈したままの精神。こんな所で言葉を書き連ねていないで、今度こそ自分の口で言えば良いのに。馬鹿だなぁ。
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